FUJIFILMのミラーレスカメラ「Xシリーズ」から登場したX-H2とX‑T5。
皆様の中には、
- X-H2とX‑T5の違いって何?
- X-H2とX‑T5の口コミ・レビューを知りたい!
- 私にはX-H2とX‑T5のどっちがおすすめなの?
と疑問や悩みを抱えている方がいらっしゃるはず。
そこでこの記事では、X-H2とX‑T5の性能の違いを項目ごとに比較しながら、それぞれの特徴、口コミ・レビューを解説します。
X-H2とX‑T5の概要

FUJIFILMのミラーレスカメラ「X-H2」と「X-T5」は、どちらも第5世代センサー「X-Trans CMOS 5 HR」(約4020万画素)と最新画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載した、APS-C機の中でもハイエンドに位置づけられるモデルです。高解像力、AIによる被写体認識AF、最大7.0段のボディ内手ブレ補正などがあり、静止画・動画の両方において優れたパフォーマンスを発揮します。
「X-H2」は、プロ仕様を意識した堅牢ボディに、8K/30Pの本格動画撮影やピクセルシフトによる超高解像撮影が可能な多機能型ハイブリッドモデルで、大容量・高速なデータ処理が求められる現場でも安定した使用が可能です。
一方の「X-T5」は、クラシックな操作感と軽量なボディを重視したスチル重視の万能型モデルです。撮影時の楽しさを感じられる3ダイヤル設計と、街歩きや旅行でも負担にならないサイズ感が魅力で、動画は最大6.2K/30Pに対応しており、趣味やVlogレベルでは十分な実力を持ちます。
この記事では、両機種の違いを項目ごとに比較し、それぞれどんな人におすすめかを分かりやすく解説していきます。
X‑H2とX‑T5の違いを比較
X‑H2とX‑T5は、操作性やバッテリー持ち、価格などに明確な違いがあります。以下にスペックの比較表を作成しました。
X-H2 | X-T5 | |
---|---|---|
発売日 | 2022年9月29日 | 2022年11月25日 |
実売価格(最安) | 約245,884円 | 約235,947円 |
センサー | X-Trans CMOS 5 HR(裏面照射型) | X-Trans CMOS 5 HR(裏面照射型) |
画素数 | 約4020万画素 | 約4020万画素 |
画像処理エンジン | X-Processor 5 | X-Processor 5 |
ISO感度(拡張含む) | ISO125〜12800(拡張:64〜51200) | ISO125〜12800(拡張:64〜51200) |
ボディ内手ブレ補正 | 5軸・最大7.0段 | 5軸・最大7.0段 |
連写性能 | 最大20コマ/秒(電子) | 最大20コマ/秒(電子) |
シャッター速度 | 電子:1/180000秒〜15分 | 電子:1/180000秒〜15分 |
動画撮影性能 | 最大8K/30P | 最大6.2K/30P |
記録メディア | CFexpress Type B+SD(デュアル) | SDカード×2(デュアル) |
液晶モニター | 3.0型バリアングル式・162万ドット | 3.0型3方向チルト式・184万ドット |
ファインダー | 有機EL・0.8倍・576万ドット | 有機EL・0.8倍・369万ドット |
本体サイズ | 136.3×92.9×84.6mm | 129.5×91×63.8mm |
重量(バッテリー込) | 約660g | 約557g |
防塵防滴 | ○ | ○ |
バッテリー型番 | NP-W235 | NP-W235 |
撮影可能枚数 | 約510枚(EVF) | 約590枚(EVF) |
価格帯の傾向 | プロ用途向け・高耐久・動画強い | 軽量・スチル重視・持ち歩きやすい |
自撮り対応 | ○(バリアングル) | ✕(チルト式) |
ここでは以下の10点を解説します。
- 画素数・センサー・画像処理エンジンの違い
- 防塵防滴性能の違い
- 記録メディアや記録形式の違い
- ピクセルシフトと高解像モードの違い
- 連写性能・バッファ容量・バッテリー持ちの違い
- AF性能とマニュアル操作の違い
- 動画撮影性能の違い
- モニター形式とVlog対応力の違い
- 本体サイズ・重量・グリップの違い
- 価格の違い
画素数・センサー・画像処理エンジン
「X‑H2」と「X‑T5」はどちらも、裏面照射型の約4020万画素の「X-Trans CMOS 5 HR」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載しています。基本的な画像の解像度や階調再現、ノイズ耐性といった画質面では大きな差はありません。
また、「X‑H2」と「X‑T5」はどちらもAPS-Cセンサーながらフルサイズに迫る情報量を持ち、色再現の美しさは富士フイルムならではの強みです。
ただし、「X‑H2」は同センサーをより動画向けにも最適化しており、より安定した処理性能とデータの処理耐性を誇ります。
センサーとエンジンに関しては「同等スペック」ですが、動画を撮る方にとっては「X‑H2」がおすすめです。
防塵防滴性能の違い
防塵防滴性能に関しては、「X‑H2」と「X‑T5」どちらの機種も信頼性の高い構造を採用していますが、「X‑H2」の方が高い防塵防滴性能を誇ります。
また、「X-H2」はプロ用途を強く意識した設計となっており、ボディ全体の密閉性が高く、厳しい環境下での使用にも安心感があります。一方の「X‑T5」も、防塵防滴を謳っており雨天や砂埃のある場所でも十分に耐えうる性能ですが、耐久性に特化したX-Hシリーズと比べると耐久性に物取りなさがあります。
過酷な登山や雪山での厳しい環境下での撮影が想定される場合、「X-H2」がおすすめです。
記録メディアや記録形式の違い
「X-H2」は「CFexpress Type B」と「SDカード」のデュアルスロットに対応しており、高速なデータ書き込みが必要な8K動画や高速連写に強みを発揮します。
一方、「X-T5」は「SDカード×2」の構成で、UHS-II対応ながらCFexpressには未対応。そのため、CFexpress対応している「X-H2」の方が、動画や連写性能をフルに活かしたい方にはおすすめです。
また、「X-H2」はProResなどプロ用の動画コーデックにも対応し、編集工程も意識した設計で、記録形式に関してはどちらもJPEG、RAW(14bit)、HEIF、TIFFなど幅広く対応しており、静止画に関しては差はありません。高速メディアとコーデック重視なら「X-H2」がおすすめです。
ピクセルシフトと高解像モードの違い
「X-H2」は、4倍の解像力を実現する「ピクセルシフトマルチショット」に対応しており、約1億6千万画素相当の超高精細画像を合成生成できます。
この機能は三脚を用いた風景・商品撮影などで、極限までの描写力が求められる場面で真価を発揮します。「X-T5」も4020万画素の高精細ではありますが、ピクセルシフトには非対応のため、合成による超解像には対応していません。
また、ピクセルシフトはPCでの専用ソフトによる合成が必要で、手軽さには欠けますが、静止画を極めたい方や、アートプリント・建築写真など、細部のディテール再現を追い求める方には、「X-H2」がおすすめです。
連写性能・バッファ容量・バッテリー持ちの違い
「X‑H2」と「X‑T5」はどちらも最大20コマ/秒(電子シャッター)・15コマ/秒(メカシャッター)の連写性能を備えていますが、実際の撮影環境で差が出るのはバッファ容量と記録速度です。
「X-H2」はCFexpressカードを活かすことで、高速連写時の書き込み遅延やバッファフルのリスクを大幅に軽減できます。一方「X‑T5」はSDカードのみのため、RAW連写時などで詰まりやすくなる場面がります。
また、バッテリーの型番(NP-W235)が同じの為バッテリー性能に違いはありません。しかし、これまで述べてきた通り連写速度やバッファ容量の違いにより性能の高い「X-H2」の方が高負荷処理が多く、撮影可能枚数は「X‑T5」の方が上で、EVF使用時590枚、「X‑H2」は510枚程度です。
長時間の撮影や連写性能を重視するなら、記録メディアとバッファ面で有利な「X-H2」がおすすめです。
AF性能とマニュアル操作の違い
AF性能に関しては、「X-H2」、「X-T5」ともにAI被写体検出AFを搭載しており、人物・動物・乗り物などを高精度に追従します。
ただし、「X-H2」の方がAFアルゴリズムが動画用に最適化されており、被写体の追従安定性が「X-T5」より優れています。
また、「X-H2」はシャッターやダイヤルの質感がややプロ寄りで、操作系統の信頼性が高いと感じる方も多いです。一方、「X-T5」はクラシックなダイヤル操作に特化しておりマニュアル撮影好きには人気が高いです。
ダイヤルでパッと設定を変えたい人には「X-T5」が、柔軟な操作体系を求めるなら「X-H2」がおすすめです。
動画撮影性能の違い
動画性能では、「X-H2」の方が優れています。
「X-H2」は最大8K/30P・10bit 4:2:2に対応し、Apple ProRes収録も可能。さらにCFexpressカード対応により、内部記録で高ビットレートの撮影が行えるなど、本格的な動画制作にも耐えるスペックです。また、「X-H2」は冷却性能にも優れており、長時間の収録にも安定した動作が期待できます。
対して「X-T5」は最大6.2K/30Pまで対応し、色深度10bit・4K60Pも可能な点で優秀ですが、8K収録やProRes収録には非対応のため、業務用や映像編集を前提とした制作環境では、物足りなさが出るかもしれません。
これまで述べてきた点から動画性能なら「X-H2」がおすすめです。
モニター形式とVlog対応力の違い
モニター形式にも「X-H2」と「X-T5」には違いがあります。
「X-H2」はバリアングルモニターを採用しており、Vlogや自撮り、ローアングル・ハイアングルでの撮影アングルの自由度の高さが魅力です。一方、「X-T5」は3方向チルト式モニターを採用しており、スチル撮影においてはより直感的な操作感があります。
Vlogや自撮り、動画撮影には「X-H2」が、スチル撮影においては、「X-T5」がおすすめです。
本体サイズ・重量・グリップの違い
「X-H2」は、サイズ136.3×92.9×84.6mm、重量はバッテリー込で約660gとしっかりしたボディです。深くて握りやすいグリップを備えており、大きめのレンズ装着時でもバランスよく保持できます。一方、X-T5は129.5×91×63.8mm、重量約557gと小型軽量で、持ち運びやすさが大きな魅力。
街撮り・旅行・日常スナップといったシーンでは、その携帯性が大きな武器になります。X-H2は剛性・安定性重視、X-T5は機動力・軽快さ重視という明確なコンセプトの違いがあります。
大三元ズームなど重めのレンズを使うならX-H2、小型単焦点や機動性重視ならX-T5がおすすめです。
価格の違い
2025年8月現在、Amazonでの価格は「X-H2」が税込322,500円、「X-T5」が税込327,000円。
上位モデルであるはずのX-H2のほうが安くなるという逆転現象が起きています。その理由として【追記:考えられるのは】、動画撮影やCFexpress対応といった機能を求める層の購入がひと段落し、今は軽くて持ち運びやすく、クラシックな操作感を持つ「X-T5」に注目が集まっているからです。
街歩きやスナップ撮影、旅行など、写真を楽しむ場面にマッチする魅力が、需要を押し上げています。その結果、「X-T5」は価格が下がりにくく、価格だけを見れば「X-H2」が“お得”に感じられるかもしれません。
X‑H2とX‑T5の口コミ・レビュー
ここではX‑H2とX‑T5の口コミ・レビューとして以下の2つの順で解説します。
- X‑H2の口コミ・レビュー
- X‑T5の口コミ・レビュー
X‑H2の口コミ・レビュー
X‑H2はAmazonにて112件の口コミがあり、星4.5の高評価を獲得しています。以下に主な口コミを紹介します。
口コミ①:買ってよかった
X-T4からの買い替えです。軽いし握りやすい。何よりモードダイヤルのカスタムモードに自分の好きなフィルムシミュレーションや設定を記憶させて自分好みの絵を作るのが楽しいです。。CFexpressカードはめっちゃ高いけど、速いし大容量なので、じゃんじゃん撮る意欲が沸きますね。フォーカスレバーの上下左右への操作がいまいちです。ボロクソ言っている人もいるけど、僕は買ってよかったです。
口コミ②:つかって楽しい
フジの大三元レンズを一緒につかってみてください他のメーカーに行けなくなくなります。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています。口コミ③:8K動画に使用、満足しています。
SNS投稿用にアマゾンで購入し、約一か月経ちました。8K動画撮影の為にだけ使っていて、全てカメラまかせなので気楽に撮影していますが、何のトラブルも起きず満足しています。細かい操作はかなり苦手ですが、多分これから少しづつ勉強をするかも? 日本のメーカーなので超安心、一度だけ富士フィルムに電話しましたが本当に親切に教えて頂けて感動しました。ちょっと重いですが、頑張ってあちこち撮影しています。買って本当に良かったです。
引用元:Amazon
「高画質や快適な操作性で選んだ」と言う方のように、X‑H2は高画質かつ操作性が高いです。
そのため、「撮って楽しい」「使って安心できる」といった評価が多いです。また、カスタムモードに好みの設定を登録できる点や、8K動画撮影が安定して行える点も高く評価されており、撮影意欲が高まる一台と言えるでしょう。
X‑T5の口コミ・レビュー
X‑T5はAmazonにて273件の口コミがあり、星4.6の高評価を獲得しています。以下に主な口コミを紹介します。
口コミ①:色が綺麗。
AFもまずまずです。物理ダイアルが便利です。何よりも写りの色が自然で綺麗です。
口コミ②:十分
スチル撮影には十分すぎる機能と写りで、良いカメラだと思います。
口コミ③:デザイン最高
この製品が発売になってから、ずーっとニコンとソニーのフルサイズに気を引かれ迷っていましたが、やはりX-T5のデザインで選びました。小型、軽量、画素数にも満足していますし、ダイヤルがいい、50年前初めて買った一眼レフを思い出し、毎日意味もなく回しています。あまり大型にならないボディのフルサイズが出ると良いですね。
引用元:Amazon
「デザインで選んだ」という方のように、X‑T5はクラシカルで完成度の高い外観も人気です。
声を総合すると、X‑T5は「写り・操作・所有感」すべてにおいて満足できる一台といえます。写真を趣味として楽しみたい方にこそ、X‑T5は自信をもっておすすめできるモデルです。
X‑H2とX‑T5のどっちがおすすめか?
「私にはX‑H2とX‑T5のどっちがおすすめなの?」という疑問を抱えている方に向けて、ここでは以下の2点を解説します。
- X‑H2がおすすめな方の特徴
- X‑T5がおすすめな方の特徴
X‑H2がおすすめな方の特徴
「X-H2」は、高画素・高性能・高剛性をバランスよく備えたモデルです。
特に動画と静止画を両立したい人には最適で、撮影の幅を制限しません。さらに深く握れるグリップやバリアングル液晶など、長時間の撮影や変則的なアングルにも対応しやすい構造が、日々の制作活動をしっかりと支えてくれます。
本格的に作品を残したい方や、機材をしっかり使い込んでいきたいという方には、「X-H2」がおすすめです。
X‑T5がおすすめな方の特徴
「X-T5」は、写真を楽しむすべての人にとって「ちょうどいい」機能性とサイズ感を兼ね備えた一台です。
4020万画素センサーによる高画質は「X-H2」と同等でありながら、本体は「X-H2」より100g以上軽量で、持ち歩きやすく、街歩きや旅行などでのスナップ撮影に最適です。
また、フィルムカメラを思わせるダイヤル操作も魅力で、構図を練りながらじっくり撮影を楽しむにはぴったりの操作感や動画機能も6.2K/30Pまで対応しており、趣味の映像制作には十分な性能を備えています。
「X-T5」は、写真を撮る楽しさを味わいたい方や、道具としてのカメラに愛着を持ちたいという方におすすめです。
X‑H2とX‑T5の違いを知って最適な方を選ぼう【まとめ】
FUJIFILMの「X-H2」と「X-T5」は、同じ高画素センサーと画像処理エンジンを備えていますが、動画や業務用途にも応える多機能・高耐久なボディを求めるなら「X-H2」が断然おすすめです。一方、軽快に写真を楽しみたい人には「X-T5」がおすすめです。
画質面ではどちらも優れており、価格差もほぼなくなっている今こそ、自分にとって必要な機能や使いやすさを見極め、目的に応じてどっちがいいかを考えて、ぜひ購入してみてください。
なお、当ブログでは「FUJIFILMのX‑T5とX-E4の違い」についても解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
コメント